(1)アセスメントや個別の指導計画の作成、指導・支援の有用性の検証:通常学級に在籍する対象児本人やその担任教師などに対して実施したアセスメントシートをもとに、個別の指導計画の作成および実際の支援をおこない、その有用性を検証した。具体的には、対象児本人には自身が自覚している特別な支援ニーズについての評価を求め、教師にはそれぞれの対象児について学習面、生活面、対人関係面、対人関係面といった観点から特別な支援の必要性の有無について回答を求めた。両者の回答をもとに特別な支援ニーズのタイプ分類をおこない、特別な支援ニーズのタイプごとにその特徴や支援方法を検討し、支援をおこなった。 (2)公開シンポジウム(研究協力者らと)の開催:(1)で得られたアセスメントおよび支援の有用性について検証するために、東京、大阪にて公開シンポジウムを開催し、広く意見交換をおこなった。その結果、本研究でのアセスメントから個別の指導計画の作成、支援に至るシステムは要支援児の早期発見および早期支援という観点から有用であり、一定の効果があるという結論が得られた。 (3)支援マニュアルモデル事例集の作成:平成29年度~平成30年度に収集した調査結果やモデル事例の分析と上記のワークショップにもとづき、相談支援事例をまとめた書籍の出版およびミニハンドブックの作成をおこない、ミニハンドブックについては全国の教育現場等に配布する準備を進めている。
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