研究課題
希土類系高温超伝導テープ線材の交流損失特性は、温度(4.2-77.3 K)、印加磁界振幅、印加磁界角度、線材積層枚数などの運転環境に依存する。本研究では、それら様々な運転環境における希土類系高温超伝導テープ線材の交流損失の簡便な予測手法の確立を目的とした。交流損失特性をピックアップコイル法により評価し、それらを理論解析に取り込み、実験・理論の両面から検討した。本年度は、昨年度の研究成果に基づき、最終年度として下記を遂行した。(1) 中心到達磁界未満の磁界振幅の領域において、k枚積層した線材の交流損失は1枚の線材の交流損失の1/kとなることを測定結果より見出し、反磁界係数を用いてその理論的な解釈を行い、定量的に明らかにした。さらに導出した理論表式より予測手法を確立し、実測値と照らし合わせることで予測手法の妥当性を確認した。これにより1枚の線材の交流損失を測定することで、多数枚積層した線材の交流損失を予測でき、また温度スケーリング則と併用することで様々な温度と積層枚数の組み合わせにおける交流損失を容易に予測可能となった。(2) 線材を多数枚積層し円筒状に巻き線したコイル試料の交流損失特性を評価する測定システムを立ち上げた。電圧-電流特性の勾配(n値)および反磁界係数を考慮した、2枚および3枚積層した場合におけるコイル試料の交流損失の理論表式を導出した。理論計算値と実測値は概ね一致し、理論表式が妥当であることがわかった。(3) 上記の予測手法により算出した予測値および実測値を用いた超伝導回転機の交流損失を計算する解析手法を確立し、電気推進航空機へ向けた超伝導回転機の交流損失を明らかにした。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 8件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
IEEE Transactions on Applied Superconductivity
巻: 29 ページ: 8200504
10.1109/TASC.2019.2895496
巻: 29 ページ: 4800605
10.1109/TASC.2019.2895900
巻: 29 ページ: 印刷中
10.1109/TASC.2019.2906655
10.1109/TASC.2019.2909236
Journal of Physics: Conference Series
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
巻: 1054 ページ: 012037~012037
10.1088/1742-6596/1054/1/012037
http://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/searchSP/details/K006656/index.html