今後の研究の推進方策 |
Activin Aのヒト前骨芽細胞の骨芽細胞分化誘導にはAlk4は関与していないことが示唆されたので、Activinのシグナル活性の調節に関与することが報告されているAlk2に着目し (Renlund et al., J Endocrinol, 2007)、siRNAを導入した、Alk2ノックダウンヒト前骨芽細胞を作製し、Activin AのAlk2を介したシグナル経路が、ヒト前骨芽細胞の骨芽細胞分化に及ぼす影響を検討する。 ヒト歯根膜細胞におけるAlk4およびヒト前骨芽細胞におけるAlk2を介する細胞内シグナルについて検討を進めるため、Alk4をノックダウンしたヒト歯根膜細胞およびAlk2をノックダウンしたヒト前骨芽細胞を用いて、ウエスタンブロット法にてp-Smad2/3およびp-Smad1/5/8の活性を検討し、Activin Aの細胞内シグナルにおいて、どちらのSmadを介したシグナル経路がヒト歯根膜細胞の線維芽細胞様分化およびヒト前骨芽細胞の骨芽細胞分化に関与しているのかについて検討する。これにより、Activin A-Alk-Smadを介するシグナル経路に関する更なる解析を行う。 さらに、in vivoにおけるActivin Aの効果を解析するため、過去の報告に基づいて(King et al., J Dent Res., 1997)、ラット歯周組織傷害モデルを作製し、これを用いてその傷害部位にActivin Aを応用して、Activin Aの歯周組織再生能を検証する。また、歯周組織再生誘導能について比較するため、EMD (Emdogain®:ビオラ社)およびFGF2 (リグロス®:科研製薬株式会社)を比較対照とする。 以上によって、骨欠損を含む歯周組織に対するActivin Aによる組織再生能を明らかにする。
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