高度経済成長期に集中的に建設されたわが国の各種社会基盤構造物の多くが高齢化を迎え,近い将来には,維持更新費が総額でも減少する公共投資額の内でかなりのシェアを占めると見込まれている.地方自治体が管理する橋梁は膨大で架設年すら不明で,当然設計図書もない場合が多く,近接目視点検を実施しても建設初期状態が不明であるので健全度を評価することは困難である.そこで本研究では,再劣化の範囲や程度などを復元設計データに取り入れることにより,バーチャルリアリティ環境下で,設計荷重レベルや終局荷重レベルでの再劣化した橋梁の構造性能を評価して,簡易な橋梁モニタリング手法の構築を検討した.
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