現代において、加齢や脳神経疾患に付随する摂食・嚥下障害が急増していることは周知の事実である。摂食・嚥下障害の病因・病態を解明するためには、生きた実験動物を対象に、無麻酔・覚醒下での詳細な運動記録を継続的に観察する新たな実験系の構築が不可欠である。今回、光学式6自由度顎運動計測システムと筋活動同時計測システムを構築し、顎運動と筋活動のデータをリンクさせた。本研究により、中枢神経系への入力の変調による運動出力への影響を明らかにすることで、これまでその複雑な神経機構から困難とされてきた咀嚼・嚥下運動制御メカニズムの解明に貢献するもであると考える。
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