本研究結果から循環血液から網膜への薬物輸送に時刻による変動が認められることが示唆された。投与時刻を最適化するという非常に簡便な手法で薬物の治療効果を高めることが期待できる。また、眼の副作用がある薬物は眼に移行しにくい時間帯に投与することで視機能の異常を回避できる可能性がある。近年では、医師主導のサプリメントによる健康維持の気運が高まっている。循環血液から網膜へ物質が移行しやすい時間帯、移行しにくい時間帯があることが示唆されたため、ビタミンAに代表される眼に必須の栄養素のサプリメントを飲む時刻にも最適な時刻があり、今後それらの時刻を明らかにすることで視機能の健康維持にも貢献できる。
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