研究課題/領域番号 |
17H06983
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
石原 美和 宮城大学, 看護学群(部), 教授 (10803976)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 地域包括ケア / 病院 / 看護 / 市町村 / 看護部門 / 自治体 / 医療 / 介護 |
研究実績の概要 |
「地域包括ケアシステム」において、医療と介護をつなぐ地域包括ケアの要として、病院の看護部門の役割は大きい。本研究では、地域包括ケアシステムの構築の主体である市町村等の自治体が地域における看護専門人材をどのように活用できるのかを明らかにするものである。実際には、自治体が病院看護師の参画による事業等の自治体と病院看護部門の連携に関する具体的な事例が抽出された。 市町村と病院の地域包括ケアシステムにおける関係は、市町村事業への職員の派遣や、講師派遣等もあるが、最も確実かつ具体的な連携を示すものは、委託事業の契約だったことが明らかになった。市町村自治体は、地域支援事業の委託として医療介護連携支援相談センターや、地域包括支援センターの委託、介護予防事業等のバリエーションが抽出された。また、在宅医療を行担う郡市医師会の開業医を後方支援する機能としての病床は、地域包括ケアシステムとして不可欠であることが把握された。市町村にとっての医療は、郡市医師会レベルの範囲と認識している傾向があり、従来、都道府県が所管していた病院医療機関については、地域包括ケアシステムの範囲とは認識が希薄だった。 今年度は、医療機関(一般市2カ所、政令指定都市1カ所)のヒアリングを実施し、ヒアリング調査で得られたデータについて今後専門家による分析を行い、病院看護部門が関与した市町村事業としての地域包括ケアへの参画について、自治体側、病院側に不可欠な要素について考察する。また、一方、病院看護部門にとっても、職員配置を伴う地域包括支援センターの受託等は、看護職員が介護保険制度や市町村との連携について知見を得て、病院退院支援部門や地域包括ケア病棟等での運営管理能力の向上に反映されているという事象も得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ収集及び各関連機関からのヒアリングも順調に進行している。市町村と病院の地域包括ケアに関する関係は、市町村事業への職員の派遣や、講師派遣等もあるが、最も確実かつ具体的なのは、委託事業の契約だったことが明らかになった。地域支援事業の委託や、地域包括支援センターの組織委託等のバリエーションが抽出された。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの業績データを含め、平成27年度に実施した先行研究のデータを分析を継続し、、今後は、具体的な市町村事業と看護職員の関与の状況、委託事業の金額、利用数等から地域包括ケアシステムを構築する主体である市町村と病院との関係が明らかにできる。医療機関(一般市2カ所、政令指定都市1カ所)のヒアリングを実施し、ヒアリング調査で得られたデータについて今後専門家による分析を行い、病院看護部門が関与した市町村事業としての地域包括ケアへの参画に重要な要素について考察する。
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