本研究の目的は、妊娠28週から36週の妊婦を対象に、無煙棒灸の灸実施前後の熱刺激量と継時的変化を客観的指標で可視化し評価すること、測定方法の実行可能性を検証することである。 研究デザインは、一群事前事後テスト設計による準実験研究である。 初年度は、測定用具の技術習得として、18歳以上の女性2名を対象に赤外線サーモグラフィーおよび血流量計を用い、皮膚温と血流量測定を実施した。測定方法・解析方法を書籍、機器のアドバイザーに助言をもらいながら確実にデータを取る技術及び分析する技術を獲得した。また、パイロットテストとして、18歳以上の女性3名を対象に、無煙棒灸実施前後の皮膚温および血流量変化を測定するとともに、赤外線サーモグラフィーと血流量計測定方法の実行可能性を検討した。灸実施前後の体温と血流量の経時的変化を観察し、データを分析しながら、実施後何分まで経時的に観察するのが妥当であるか、測定部位は妥当かどうかの検証をしている。また、介入環境を同質にするための室温・湿度・風の影響等の検討として、室温25度、湿度50%とした恒温恒湿室で実施することとした。姿勢は、セミファーラー位とし、実験室のベッドを使用し、安楽な姿勢を保持することとした。研究協力施設の確保として、首都圏の産科を標榜とする病院または診療所に研究依頼をし、研究協力施設の確保に努めている。 現在、妊婦を対象とした本調査に向け準備を整えている段階である。
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