研究実績の概要 |
平成29年度における成果は以下にまとめられる。 i)4D-CADを用いた住居損壊予測モデルの開発 住居損壊予測モデルとして3次元モデルに対して地震波を入力することで、構造部材ごとの加速度、変位を経時的に推定可能とした。これにより非構造部材として取付けられている内・外装材および天井アンカーに発生する外力の算定が可能となり、タイル剥落やアンカー抜けなどのリスク推定への転用も可能となった。なお本モデルは3D-CADソフトウェアを使用した動的シミュレーションによる推定を行っており、構造解析として有限要素法を用いたモデルの検討については、次年度に持ち越すこととした。 ii)被災による震災廃棄物発生マップおよび建設系資源需要マップの作成 藤原ら*によるGISを用いたマッピング手法を参考としたマップ作成手法を提案した。次年度の有限要素法を使用した住居損壊予測モデルの開発を待って、都市を対象としたマップ作成を行うこととした。 iii)廃棄物回収最適化手法の開発(追加研究)震災廃棄物の効率的利用を目的とする本研究の追加研究として、廃棄物回収最適化手法の開発を行った。住居損壊予測モデルと同様に3D-CADソフトウェアを動的シミュレーションに用い、混在した震災廃棄物の回収手法による総コストの推定を可能とした。回収廃棄物を純度によって再生資源と混廃に区分することで、震災廃棄物の回収時における分別精度とコストの相関について明らかとした。また回収重機の動作をアルゴリズムにより制御させることで、回収手法における効率性の比較も可能となった。 *藤原健史,中村彰太,2013,地図情報を用いた災害廃棄物の発生量予測と収集輸送計画,EICA,Vol.17(4),pp58-65
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