これまで,アンジオテンシン受容体結合蛋白ATRAPは,腎尿細管において高い内在性発現レベルを認め,病的刺激下で生じる尿細管1型アンジオテンシン受容体シグナルの過剰活性化および一次性ナトリウム再吸収亢進を抑制することで,高血圧の発症を抑制する新規内在性システムとして機能していることを明らかにしてきた.今回,近位尿細管特異的ATRAP発現制御マウスの作製に成功し検討を行った結果,近位尿細管ではなく遠位尿細管系のATRAPが主に,高血圧発症抑制の内在性システムとして機能している可能性が高いことを明らかにした.尿細管ATRAPの機能を分析したことで,今後新規高血圧治療に結びつく可能性がある.
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