本研究は、医療機関においてLGBTの患者と看護師との家族をめぐる相互行為上の齟齬を明らかにするのを目的とした。性の多様性を踏まえた医療体制がどれだけ整っているかを把握するため、1)看護部長を対象とした質問紙調査を実施、さらに2)質問紙調査と併せて、LGBTの患者を担当したことのある看護師へのインタビュー調査協力者リストを作成した。看護部長の解答から、医療機関では「家族」から同性パートナーが排除されがちであることや、トランスジェンダーの患者が受診を躊躇う環境となっていることがわかった。今後のインタビュー調査への協力可能な医療機関が30弱ほどあることが把握できた。
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