研究課題/領域番号 |
17H07005
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
村方 多鶴子 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (70264314)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 看護学 / 精神科訪問看護 / 新人スタッフ / 質的研究 / サポート |
研究実績の概要 |
【研究目的】平成 16 年に「入院医療中心から地域生活中心へ」という精神保健医療福祉施策が示されて以来、地域で暮らす精神障害者が増加し、訪問看護に対する需要が高まっている。しかし、精神障害者への訪問看護において、症状悪化時の対応、協力が得られにくい家族への対応、関係機関との連携不足などに関する困難が指摘され、訪問看護師の離職率の高さにも繋がっている。これらのことから、精神科訪問看護におけるサポートや教育に関する研究が行われ始めているが、教育を行う管理者を対象にした研究が多く、スタッフを対象とした研究はまだ少ない。そこで本研究では、様々な職務経験をもつ精神科訪問看護新人スタッフに対する教育プログラム開発の基礎資料とするために、新人スタッフが困難に直面したときに、専門職としての成長に役立ったと認識する管理者や同僚のサポートを明らかにすることを目的とした。 【研究実施計画】調査を依頼した対象施設は、精神科特化の訪問看護ステーションであり、管理者の協力が得られた場合は、入職後2年以内の新人スタッフ(看護師、作業療法士)を紹介していただいた。対象者に、40分程度の半構造化面接を実施した。インタビュー内容は、今までの経験や価値観が通用せず戸惑ったときに、誰のどんなサポートが役に立ったか、訪問看護を楽しい・面白いと感じたのは、職場内のどんな関わりがあったときかなどである。6 名にインタビューを実施し、インタビュー終了ごとに継続比較分析を行った。 H29年度に行ったインタビューを分析し、H30 年度に学会発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H29年度は、精神科特化の訪問看護ステーションに在職している新人スタッフを対象とし、現在の職場へ入職する前に、精神科病院での勤務経験が①ある者と②ない者を各3名ずつインタビューする予定であった。 しかし、インタビューを行った6人の内訳をみると、勤務経験がある者が4名、ない者が2名であった。そのため、H30年度に、精神科病院での勤務経験がなく、現在精神科特化の訪問看護を実践している新人スタッフのインタビューを2名追加する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、精神科を特化としていない一般の訪問看護ステーションにおいて、精神障害者に対して訪問看護を実践している新人スタッフに対してインタビューを行う。昨年と同様に、現在の職場へ入職する前に、精神科病院での勤務経験が①ある者、②ない者を各3名ずつインタビューする予定である。 インタビュー終了後、昨年度実施した精神科特化の訪問看護ステーションと、今年度の一般の訪問看護ステーションにおいて得られたデータを比較分析し、共通する内容、それぞれのステーションにおいて特徴的なことなどを明らかにする。それを基に、精神科訪問看護をおこなう新人スタッフに対する教育プログラム作成の資料とする。
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