光線力学療法(PDT)は低侵襲な癌治療法の一つで,これまで我々はより高い腫瘍選択性と抗腫瘍効果を有する光感受性物質であるオリゴ糖連結クロリン(Oクロリン)を開発してきた.今回Gemcitabine(GEM)耐性膵癌に対するOクロリン-PDT効果について基礎的な検討を行った. 樹立したGEM耐性膵癌細胞株に対して新規Oクロリン-PDT効果はin vitroで現行薬に比べ約11 - 16倍の効果を認め,またマウス膵癌腹膜播種モデルではOクロリンの癌への高い集積性を認めたが,PDT効果については対照群と有意差は認めなかった.GEM耐性膵癌に対するPDTの有用性については更なる検討が必要である.
|