研究課題
従来、結晶構造(αヘリックスやβシート等の2次元構造)を持たないドメインやタンパク質は、その構造自体が不詳なため、機能解析がそもそも不可能とされてきた。ところが、近年これらのLC(low complexity)ドメインが実はタンパク質の機能において、構造を持つ領域と同じくらい重要な機能を有していることが少しずつ明らかになってきた。これまでに、LCドメインがcross-βポリマー(βシート構造を介して形成されたポリマー)を形成することによって機能していること、また筋萎縮性側索硬化症(ALS)において発現しているPRポリペプチドがcross-βポリマーに選択的に結合することでLCドメインの生理的機能を阻害していることを明らかにしてきた[Cell 2016・PNAS 2017]。細胞骨格を構成するタンパク質は、3種類(アクチン、チュブリン、中間径フィラメント)に大別される。研究代表者は、LCドメインを有する中間径フィラメントに着目した。中間径フィラメントは、3つのドメイン(Head、Rod、Tail)に分類される。中央に位置するRodドメインは、αヘリックス構造を有する。一方、HeadドメインとTailドメインは、LCドメインである。本研究課題では、中間径フィラメントのHeadドメインに、疾患由来変異の導入を行うことで、ポリマー形成能、ポリマーへの結合能、ポリマーの安定性を評価することで、中間径フィラメントのHeadドメインによって形成されるcross-βポリマーの化学的な性質を明らかにすることに取り組んでいる。これまでに、DesminのHeadドメインに変異導入を行うことで、cross-βポリマーの形成能に影響を与える知見を得てきた。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通り、順調に研究は進んでいる。
当初の計画通り、引き続き研究を進めていく。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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http://www.mirai-nmu.com/