本研究の成果の学術的意義は,積雪寒冷地において高齢者の閉じこもりを予防するために,気候の違いに着目して外出の頻度と楽しみ度の実態を明らかにしたことである.対象者の生活環境に応じて,看護専門職としてどこに働きかけることができるかについて示唆を得ることができた.社会的意義は,高齢化が進む中,生活環境に応じた閉じこもり予防に対する社会的方策の示唆を得ることができたことである.看護専門職と地域社会が協働して高齢者の外出環境を整えることで,地域包括ケアシステムが目指す,高齢者の尊厳の保持と自立生活のための支援を受けながら,可能な限り住み慣れた地域で,自分らしい暮らしを続けるための知見につながる.
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