本研究では、様々な困難や「貧困」を抱えるシングルペアレントたちの共同生活や協力関係に着目し、その現状と可能性を探究した。本研究では第一に、シングルマザー向けシェアハウスを調査対象とした。調査を通じて、シェア居住が育児負担の軽減、孤独の解消、子どもにとっての利益、経済的負担の軽減などのメリットを持っていることを確認した。第二に、サークル活動を通じて密な協力関係を築いているサークル活動を調査対象とした。活動が、孤独や不安の解消、子育て不安の解消、生きがいの創出、老後の心配の解消といった意義をもつことが確認された。公的な支援の不備を補う私的な支援としてこれらの活動が重要であることが明らかとなった。
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