本研究の目的は、沖縄での長期入院精神障害者の地域移行の現状把握と、主体性の尊重という精神医療の原則を手がかりとした困難事例の分析から沖縄での課題を見出すことである。研究協力5施設では平均在院期間が短い施設ほど服薬自己管理やインフォームドコンセントがよく実施されていた。これと7事例の詳細な分析の結果から、次の3点が地域移行における沖縄での課題である。すなわち、第一に、一人の「人」として本人と向き合い続けること、第二に、退院についてのインフォームドコンセントを本人や家族に実施すること、第三に、多職種で取り組むことである。
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