研究課題/領域番号 |
17H07051
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
竹内 真登 東北学院大学, 経営学部, 助教 (50805025)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | メンタルシミュレーション / 解釈レベル理論 / 二重過程理論 / 文脈効果 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、マーケティングリサーチでの回答者の回答と実際の消費者の購買行動との間にどの程度の差異が生じ得るのかを把握すること、その差異が生じる要因を探索すること、その差異を低減させることで実購買に対して予測や推測精度の高い調査法を開発することにある。 平成29年度において、主に先行研究のレビュー及び改善策の検討、実購買履歴を取得可能な対象者への実験調査を実施、レビュー内容についての論文作成、関連学会での報告などを中心に行った。先行研究のレビューでは、行動経済学や消費者心理学分野で研究が進む二重過程理論と文脈効果を中心に包括的なレビューを実施した。その他にも回答行動を変化させる可能性のある関連研究(メンタルシミュレーションや解釈レベル理論など)、回答値を補正する研究、不良回答の検出法に関しても最新の動向を探ることで、先行研究間の矛盾の把握や回答精度を向上させる方策の検討を進めた。 実験調査は、調査対象商材について購買履歴情報を取得可能な回答者に対して、既存調査法以外にも、複数の調査精度を改善するための手法を含めて実施された。現在、既存調査での回答と実購買行動との差異、差異を低減する改善手段を用いた場合の差異の低減度合などについて解析を進めている。 上述した先行研究レビューに関連した内容は、学会での報告を行うとともにレビュー論文の投稿にむけた論文執筆も進めている。それ以外にも関連研究が査読付き論文として採択・発刊された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度に実施した実験データの解析がやや遅れているものの、先行研究レビューが想定以上に進展しレビュー論文の執筆が進んだこと、調査に関連した研究が査読付き論文として発刊されたことから、上記区分が相当と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
まずデータの解析は、これまでに研究代表者が行ってきた解析やデータ処理とは異なる処理を要したためにやや遅れが生じていた。しかし、解析やデータ処理についての理解を深めており今後遅れを取り戻していく。更に、平成30年度も購買または行動履歴を取得可能な被験者への実験を実施予定であり、回答行動と実行動との差異の要因を探索する予定である。こうして得られた研究知見をまとめるとともに論文執筆を進める。
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