研究課題/領域番号 |
17H07066
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
菅谷 麻衣 常葉大学, 法学部, 助教 (10802316)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 言論の自由 / 有害・不快言論 / ヘイト・スピーチ / 低価値言論 / 内容規制 / 明白かつ現在の危険 / アメリカ憲法 / 表現の自由 |
研究実績の概要 |
本研究では、ヘイト・スピーチや女性差別言論といった一定の「害悪(harm)」を生じる有害・不快言論の規制がわが国でも喫緊の課題となっていることを受け、ヘイト・スピーチ等の新規の有害・不快言論を低価値言論として規制することが可能なのか否かを明らかにすることを目的に遂行された。 本年度は低価値言論の規制根拠に関する文献をアメリカで調査・収集するための日本での事前調査としての資料分析を行った。 その結果、当初の想定に反し、低価値言論の規制根拠を明らかにする上で、低価値言論と利益衡量の関係を整理する必要が生じたため、アメリカで広範囲にわたる文献収集が必要であることを明らかにした。そのため、研究方式を変更し、アメリカでの文献調査期間を延長し、新たに調査が必要になった所蔵先との交渉と、史料の分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、ハーヴァード大学ロー・スクール図書館並びにアメリカ議会図書館に所蔵されている、チェイフィーの著作・私的な書簡を収集し、かかるる作業で得られた史料によって、低価値言論類型が誕生した当初、当該類型の実質的な規制根拠として何が想定されていたのかを明らかにすることを予定していた。 しかし、日本での事前調査の結果、当初の予定よりも広範囲にわたる文献調査をアメリカで行うことが必要だと判明し、計画を一部修正することになったので、(3)と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究成果を踏まえ、来年度は追加で調査が必要と判明した史料について、アメリカで収集し、日本に持ち帰って、分析を行う。さらに、こうして得られた分析結果については、来年度の早い段階で論文や報告といった形にまとめ、日本国内外で積極的に発表する予定である。
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