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2017 年度 実績報告書

ストレスフルな体験の意味づけに対するネットワーク的解釈とその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 17H07072
研究機関東京成徳大学

研究代表者

上條 菜美子  東京成徳大学, 応用心理学部, 助教 (80800862)

研究期間 (年度) 2017-08-25 – 2019-03-31
キーワード意味づけ / ストレス / ネットワーク
研究実績の概要

ストレスフルな出来事が起きた意味を探索し,自分なりの理解や解釈を与える意味づけは,抑うつやPTSDからの回復に結びつくことが報告されている。従来の研究から,ストレスフルな体験について積極的に熟考することや,他者との相互作用および新たな体験が,意味づけを促すことが示されたが,これらの要因が,なぜどのように意味づけに貢献するのかは,結果からの憶測にとどまっているのが現状である。今後,意味づけ研究を学問的・社会的に発展させていくためには,当事者の行動や思考,当事者を取り巻く環境の変化を,包括的に捉える研究が求められる。
そこで本研究は,「ネットワーク」という観点を取り入れ,意味づけの構造を明らかにすることを試みる。「ストレスフルな体験(の記憶)がある対象(人・モノ・こと)との間につながりを形成すること」を,「ストレスフルな体験(の記憶)を中心としたネットワークを構築すること」と再解釈し,ストレスフルな体験がどのような対象とどのようなネットワークを構築するのかを,実際にネットワーク図の描写を求める手法を用いて検討する。
研究1として,ストレスフルな体験に対する意味づけを,人やモノ,出来事などのつながりで構成されるネットワークとして解釈可能かどうかを検討する事を目的に,20代から60代の成人120名を対象に,web調査を実施した。調査では,過去に起こったストレスフルな体験について想起を求め,その体験に対する主観的評価とともに,「白い紙にネットワーク図を描き,その写真を撮影しアップロードする」ことを求めた。
続く研究2では,ネットワーク図の描写を求める介入が,ストレスフルな体験に対する評価や意味づけを変容させるかどうかについて探索的に検討するため,20代から60代の男女400名を対象に,縦断的なweb調査を実施した。研究1・研究2ともに,現在分析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時の研究計画通り,研究3つのうち2つの調査が終了し,現在,分析を行っているところであるため,進捗状況はおおむね良好と考えられる。ただし,研究3は調査の詳細を詰めているところであるため,実施は秋~冬にかけて行う予定である。

今後の研究の推進方策

平成30年度は,ストレスフルな体験を抱える調査協力者に対し,ネットワーク図の描写を継続的に行うことで,ストレスフルな体験に対する解釈・理解がどのように変化するのかについて検討する。大学生約30名を対象に,日誌法による調査を実施する予定である。また,研究1・研究2は分析を進め,学会等で随時発表を行う。

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公開日: 2018-12-17  

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