研究実績の概要 |
本研究期間中に公になった研究成果は以下の通りである。 まず、ペンシルヴァニア植民地の創設者ウィリアム・ペンの植民構想と帝国イデオロギーについての英語論文を出版した。ここでは、本研究の支柱の一つであるイギリス大西洋世界で展開した農本主義思想が詳しく検討に付しており、イングランド王政復古期における植民と農業の関係について考察を行なった。(Andrew R. Murphy and John Smolenski, eds. The Worlds of William Penn (New Brunswick: Rutgers University Press, 2019)所収。) また、本研究に直接関係するものとして、2018年12月22日に行われた日本アメリカ史学会例会において、「17, 18世紀デラウェア渓谷における植民と環境ー帝国の役割に着目して」と題した研究報告を行った。北米植民地の環境史を記述する際に帝国という要因に着目する際のメリットやデメリットについて多数の有益な質問やコメントを受け、本研究の枠組みや理論的視座を再構築する上で大きな示唆を得ることができた。 その他、初期アメリカ史に関する研究について、2つの学会での口頭報告を行い、2本の書評の執筆を行った。 また、休暇期間毎に渡米し、図書館・文書館で史料・文献調査を行った。今後、本研究期間中に得られた成果を利用して英語論文にまとめ、広く発信する。
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