肝細胞癌の免疫微小環境を検討するため、肝細胞癌切除検体の標本上において様々な種類の免疫細胞を染め分け(多重免疫染色)、顕微鏡を用いて各免疫細胞の数と分布を詳細に検討した。統計学的に解析した結果、肝細胞癌における免疫微小環境は3つのパターンに分類されることがわかった。このうちImmune-highパターンとした一群はT細胞とB細胞・形質細胞の共浸潤に特徴付けられ、このような免疫微小環境を呈する肝細胞癌は術後の再発率が有意に低かった。また、肝細胞癌が多段階発癌の良いモデルであることを用いて、肝細胞癌の多段階発癌の過程で免疫微小環境も段階的に変化することを示した。
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