ドライアイ治療の新規アプローチとして、涙液分泌と腸内細菌の関係性を検討した。C57BL/6マウスを用いて通常飼育、豊かな環境での飼育、ストレス負荷を行い、飼育環境の違いによる腸内細菌の変化を検討した。また腸内細菌が涙液分泌量に与える影響を観察するため、マウスに抗生剤を経口投与し、マウスの涙液分泌量の変化を検討した。その結果、飼育環境の違いによって腸内細菌叢の構成が異なること、マウスへの抗生剤投与によって涙液分泌量が変化することが明らかになった。これらより、マウスにおいて飼育環境の違いは腸内細菌叢の構成を変化させる要因となり、腸内細菌叢の構成と涙液分泌量には関連性があることが示唆された。
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