研究課題/領域番号 |
17H07092
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
山盛 厚伺 工学院大学, 工学部, 講師 (80807511)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | ベルグマン核 / 正則自己同型群 / 準円型領域 / ベルグマン写像 / 特殊領域 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、準円型領域における正則自己同型群の等方部分群の分類を行うことである。先行研究としてKaupが、この群に属する写像は多項式写像となること証明している。しかしKaupの結果以降、最近になるまで、2次元内の準円型領域に限っても等方部分群の構造の詳細は特殊な例を除き未開拓の分野であった。2次元内の準円型領域の場合にはこの群に現れる多項式写像の形を完全に分類することが既に出来ている。さらにその結果を用いてRongの予想に反例を与えることができた。 平成29年度はこの2次元での結果を高次元へと一般化するための考察を行なった。まず、その足がかりとして三次元の場合について考察した。これまでの結果を高次元化するにあたりベルグマン写像と呼ばれるものの形を計算する必要がある。この写像の計算を進め当初の計画で予想されていた写像の双正則性などの性質を証明した。また現在この計算を高次元で行なっているところである。 また、本研究ではベルグマン幾何と正則自己同型群という2つの理論を互いの関係に注目しつつ行なっている。今年度これについて新しいアイデアを発見した。これにより現在、正則自己同型群の理論で得られている種々の結果についてベルグマン幾何的なアプローチによる新しい知見が得られるのではないかと予想している。特に非等質な領域の正則同値問題へも適用可能なアイデアと予期されることから、今後より深く掘り下げるべきテーマが見つかったといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ベルグマン写像の形を3次元の場合に計算し、研究の計画の時点で予想されていた重要性質を証明することができた。その一方で新しく発見したアイデアを調査・発展させることに時間を割いたため3次元内の準円型領域の等方部分群の分類を完成させるに至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画である3次元内の準円型領域の等方部分群の分類を、これまでに得られた結果を用いて進める。また新しく見つかったアイデアも使用できないか、多面的な視点からアプローチを試みる。また得られた結果については国内外の研究集会などで発表する。
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