台湾において「原住民族」と総称される先住民族の約8割はキリスト教徒であるといわれ、カトリック教会とプロテスタント長老教会の信者に二分されてきた。同じキリスト教といえども、教義や典礼はもちろん、原住民族への司牧・牧会理解や認識する使命の差異を備える両教会の関係は、宣教初期の対立から協働へと変化してきた。そうした関係性にのいて、それぞれの信者が見出してきた両教会の差異と自らの所属論理を考察するため、本研究はエスニック・グループ「アミ」のカトリシズムの実践と、双方の教会が進めたキリスト教的神聖存在の翻訳に注目した。
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