研究実績の概要 |
顎関節の構成要素の一つである下顎頭軟骨は発生学的に二次軟骨に分類され、四肢の軟骨原基に代表される一次軟骨とは異なる構造的特徴を有する。本研究では、骨・軟骨形成への関与が示されているSyndecanおよび軟骨細胞の増殖・分化を制御するFibroblast growth factorとその受容体(Fgfr)のマウス下顎頭軟骨発生過程における軟骨分化制御機構への関与を検討した。 遺伝子発現局在の検索および遺伝子発現の定量解析によって、胎生13日-16日のマウス下顎頭軟骨形成初期におけるSyndecan1-4の発現パターンを解析した。 Syndecan1,2は下顎頭軟骨原基に発現しており、同部位での軟骨初期形成への関与が示唆された。Syndecan3は主に肥大層の下層に、Syndecan 4は肥大層の上層に発現しており、これらの発現は一次軟骨と二次軟骨における軟骨細胞の機能的相違を反映するものであると考えられた。
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