研究実績の概要 |
本研究は正面・側面頭部エックス線規格写真と東アジア人 健常集団における候補遺伝子関連解析により頭蓋顎顔面形態と唇顎口蓋裂関連遺伝子との関 連性を解明するとともに、顎変形症の発症メカニズムを解明することを目的とする。研究期間内に明らかにすることは以下である。(1)候補遺伝子関連解析から頭蓋顎顔面の変形に関与する遺伝的要因を解明する。 (2)頭蓋顎顔面形態に関連する形質と相関を認める遺伝子の関与の程度を算出する。 (3)関与する遺伝因子の役割から一般集団における頭蓋顎顔面形態への関与を解明する。過去にゲノムワイド関連解析、候補遺伝子関連解析を用いて行われた報告において頭蓋顎顔 面形態と関与が疑われる約 20 個の候補遺伝子リストを作成した。これより候補遺伝子関連解 析を行う。IRF6 遺伝子は顔面領域が癒合する部位でタンパク質の発現を促進することが明ら かにされており、候補遺伝子リストには IRF6 遺伝子も含まれる。その中でFGFR1遺伝子の候補遺伝子関連解析を行った。DigiTag2、Taqman 法によるタイピングを採用した。SNP(Single Nucleotide Polymorphism)のタイピング精度・再現性を維持しながら可及的に低コストで実施することが重要であると考える。解析に必要な施設(リアルタイム PCR システム)は昭和大学に現有する。DigiTag2 法(Anal Biochem, 2007)は疾患感受性候補領域における絞り込みに必要 と考えられる数十から数百種類の SNPs を同時にタイピングする方法として実用化されてい る。ハイスループットである Taqman 法も SNP タイピングにおいて併用する。また研究結果は東京矯正歯科学会等複数学会で発表した。
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