研究課題
研究活動スタート支援
量子測定を用いた実用的な光通信を考える際に必要となる,量子逐次測定の最適化を行うための汎用的な手法を開発した。具体的には,まず誤り率を最小とする逐次測定を求める問題を,凸計画法と呼ばれる解析が容易な形式で定式化した。また,最適逐次測定が満たすべき必要十分条件を導出するとともに,最適解を数値的に求める手法を開発した。さらに,開発した手法を誤り率規準以外の各種の最適化規準に適用できるように拡張した。
量子情報理論
光通信において従来の古典的な測定を用いて光信号を受信する代わりに量子測定と呼ばれる量子雑音にロバストな測定を用いると,原理的にはより高い通信性能が得られることが知られている。ただし,現在のテクノロジーで実用的な量子測定を実現するためには逐次測定と呼ばれる種類の測定に限定して設計を行う必要がある。本研究では,最適な逐次測定を求めるための問題を定式化して性能評価を行うための汎用的な手法を開発した。本成果は,現在のテクノロジーで実現可能な量子測定の設計に活用できる。