研究課題
圧負荷に起因する拡張不全の病態生理に焦点があてられてきたが、容量負荷それ自体が原因となる拡張不全の進展過程はほとんど研究されていない。本年度は慢性容量負荷から拡張不全へ移行する病態生理、増悪因子および治療標的分子の解明を目的として以下の検討を継続的に実施した。ラットをイソフルラン麻酔下で開腹し、Garciaらの手法を用いて腹部大動脈と下大静脈の間で動静脈瘻を作製した。慢性容量負荷により生じた機能的および構造的変化を経時的に観察するため、術後1ヶ月、3ヶ月および6ヶ月の時点で心エコー法を用いて評価した。6ヶ月の時点での評価では、心電図、血圧、左室内圧、バイオマーカーANPの計測ならびに形態学および病理組織学的評価を行い、心機能および構造を詳細に評価した。また、アルドステロンを充填した浸透圧ポンプを腹腔内に留置したモデルラットを用いて増悪因子を同定した。最後に、伸展活性化チャネル阻害剤であるamilorideを前投与し、心室頻脈の発生頻度を評価した。その結果、慢性容量負荷をしたラットでは静脈怒張、心室頻拍、心拡大と心肥大が生じ、心収縮能が経時的に低下傾向を示し、拡張能が急激に低下し、1ヶ月から6ヶ月までほとんど変化せずに低値の状態を維持していた。また、アルドステロンは収縮能を低下させ、拡張障害から収縮障害への移行を促進した。Amilorideは心室頻拍の誘発率を減少した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
Journal of Pharmacological Sciences
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https://gyoseki.toho-u.ac.jp/thuhp/KgApp?kozac=24002201&year=2018