従来、広告に魅力的なモデルを用いることは、購買行動を間接的に促進する効果があるとして戦略的に行われてきた。先行研究から身体や顔の造形の魅力と消費者の広告の評価の関係については明らかとなっているが、魅力の評価に影響を及ぼす重要な要因である表情が広告の評価に与える影響は十分に検討されているとはいえない。そこで本研究は、魅力に大きく関わる表情に注目し、それが商品の評価や選択にいかなる役割を果たすかについて、特に国際比較という視点から実験心理学的に明らかにすることを目指した。心理学実験の結果については、先行研究の結果と比較し、日本と西洋の文化圏における顔認知の文化的差異の観点等から議論した。
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