研究課題/領域番号 |
17H07150
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研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
雲財 寛 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 助教 (00806838)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 中学校理科 / 科学的推論 / モデルベース推論 / 科学的モデル |
研究実績の概要 |
本研究では,科学的推論の中でも特に、「モデルベース推論(モデルを用いて,現象の説明や予測を導く推論)」に着目し、モデルベース推論能力を育成する理科学習指導法を考案することが目的であった。そして、一年次では、考案した理科学習指導法の効果検証を行うための評価方法を開発することを計画していた。 この計画を遂行するために、まず、これまでに開発していた質問紙の調査結果をもとに、その成果と課題について整理するとともに、中学生の実態について確認することから始めた。その結果、適用するモデルの種類によって,推論の難易度が様々であることが明らかになった。また、化学式や粒子モデルの適用に課題がある原因として,推論の前提となるモデルをどのように適用すればいいのか理解できていないこと,適用したモデルとその推論場面をどのように対応付ければいいのかが理解できていないことが明らかになった。以上の結果については、『日本体育大学大学院教育学研究科紀要』に論文を投稿中である。 次に、これまでの質問紙調査の成果をもとに、新たにペーパーテスト形式の問題を開発した。例えば、マグネシウムと二酸化炭素の化合を題材とし、反応物の原子・分子をもとに生成物を予測する問題を開発した。 そして、授業中の発話やワークシートを評価する枠組みを作成することができた。 最後に、理科教育における推論研究の最新の動向を把握するために、理科教育の関連学会に参加し、情報収集を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一年次では、考案した理科学習指導法の効果検証を行うための評価方法を開発することを計画していた。そして、ペーパーテスト形式の問題を開発し、授業中の発話やワークシートを評価する枠組みを作成することができたことから、おおむね順調に進展していると考えている。しかしながら、開発したペーパーテスト形式の問題の妥当性については十分に議論することができていないため、この点については課題が残っていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、モデルベース推論能力を育成する理科学習指導法を実施し、効果検証を行う。効果検証に際しては、ペーパーテスト形式の問題による分析、ワークシートの記述分析および発話分析により行う予定である。
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