研究成果の概要 |
濃尾平野内陸域の沖積層の解析・分析に基づいて、完新世の堆積過程を検討した。2本のオールコア堆積物は、現氾濫原のプロデルタ堆積物が分布しない地域で採取された。堆積環境の変遷については、(1)8,000~8,500年前以降にデルタの前進が開始し、(2)海水準上昇速度が低下した時期にあたる5,000~5,500年前頃に海成層から河成層へと堆積環境が移行したと考えられる。堆積速度は海水準上昇速度にほぼ同調している。これは堆積物の累重が後氷期の海水準変動の影響を強く受けていることを示すものである。
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