本研究はMEMS等の微細加工技術におけるレジスト膜の塗布工程で発生する放射状のスジムラ:striationの形成機構を解明し、回避・抑制指針を獲得することを目的としたものである。線形安定性解析、時間発展計算、およびスピンコート中の膜厚変化のリアルタイム測定の多面的なアプローチから、striationの形成機構は濃度差マランゴニ・ベナール不安定性の回転場での派生形である、との仮説を強く支持する結果を得た。striationの回避・抑制指針として、蒸気圧が低く樹脂との表面張力差が小さい溶媒を選択するのが望ましい。同一溶媒でも初期濃度の調整によってstriationを抑制できる可能性を見出した。
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