マツ材線虫病は病原体マツノザイセンチュウによって引き起こされる森林流行病である。本病の発病機構に関しては未だに不明な点が多いが、線虫の急速な増加がマツの枯死を引き起こす1つの重要因子となる。そこで本研究では、線虫の増殖に大きく関与する因子であるマツノザイセンチュウ性フェロモン物質を同定することを目的に行われた。その結果、本研究により4種の化合物がマツノザイセンチュウのフェロモン物質であることが明らかになった。これらはマツノザイセンチュウにおいて初めて同定された性フェロモン物質であると同時に、線虫全体においても初めて明らかにされた揮発性の性フェロモンである。
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