研究課題
ワーキングメモリとは、課題を行っている間にそれを成し遂げるために必要な情報を一時的に保持する記憶のことである。ワーキングメモリは日常生活および社会生活に重要な認知機能であると同時に、知的障害児・者においては、その脆弱さが指摘されている。本研究では、知的障害児・者におけるワーキングメモリの特性を明らかにすることを目的とし、特に統合された情報の保持に注目して検討を行う。最終年度である本年度は、クロスモーダルな情報統合に関する知的障害児・者のワーキングメモリ特性を検討した。知的障害児・者を対象に、視覚情報と聴覚情報を統合し保持することが求められるワーキングメモリ課題を実施した結果、知的障害児・者では予め統合された情報を保持することと比べて、個別に呈示された視覚情報と聴覚情報を統合し保持することに困難を示さなかった。また、知的障害児・者は個々の情報を保持することと比べて、統合された情報を保持することに困難を示さなかった。以上のことから、知的障害児・者のワーキングメモリでは視聴覚情報が比較的に上手く統合・保持されている可能性が示唆された。本研究では、研究期間を通して、ワーキングメモリにおける情報統合という観点から知的障害児・者のワーキングメモリ特性に関する新たな知見を得ることができた。これらは知的障害児・者に対する理解の進展に貢献するものと考えられる。今後はさらなる理論的検討を進めるとともに、得られた知見を実践につなげていくことが求められる。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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常葉大学教育学部紀要
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Neuroscience Research
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https://dx.doi.org/10.1016/j.neures.2017.08.011
https://researchmap.jp/yoi/
https://www.tokoha-u.ac.jp/teachers/pedagogy/elementary/ooi/