カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌(CPE)はカルバペネム系を含む多くの抗菌薬に耐性を示す。本研究では2014年から2016年に国内の単一医療施設で確認されたカルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌(CPE)陽性症例72例を検討した。感染症と判定された症例は29例で、肺炎が13例、尿路感染症が7例、腹腔内感染症が5例を占め、その30日総死亡率は29%だった。全72株に対しゲノム解析を行ったところ、71株がIMP-1カルバペネマーゼ遺伝子を保有していた。また、主要菌種のエンテロバクター・クロアカと肺炎桿菌それぞれで特定の菌のタイプ(シーケンスタイプ)が過半を占めていた。
|