研究課題/領域番号 |
17H07226
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
大鐘 雄太 南山大学, 経済学部, 講師 (70801968)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 金融機関 / 新規開業企業 / 銀行貸出 |
研究実績の概要 |
本年度は、以下の2つの分析を行った。
第一は、「新規開業企業の資金調達と業績に関する実証分析」である。この分析では、企業の外部からのアドバイスが企業経営に有用であることを示す先行研究に基づき、「誰からのアドバイスが新規開業企業の資金調達を容易にし、業績の向上に役立つか」について、実証的に検討した。分析の結果、①同じ業種の事業経営者からのアドバイスは、当該企業の資金調達の悩みを解決する、②税理士・会計士からのアドバイスは、当該企業が黒字化する確率を上昇させる、の2点が明らかになった。本研究については、分析結果を論文にまとめ、査読付き国際学術雑誌に投稿できる水準に仕上がっている。
第二は、「金融機関の特徴と新規開業企業への貸出に関する実証分析」である。この分析では、新規開業企業のマイクロデータと金融機関の財務データとをマッチングさせたデータセットを構築し、(1)どのような金融機関が新規開業企業への貸出を行っているか、(2)新規開業企業への貸出を行っている金融機関のうち、とりわけ創業直後の早い段階から貸出を行っている金融機関とは、どのような特徴を持った金融機関か、(3)どのような金融機関が同一の新規開業企業への貸出を継続的に行っているか、の3点について、3次元パネルデータを用いた固定効果推定で明らかにすることを目的としている。本研究は、実証分析を実行するために必要となる3次元パネルデータの構築を完了させ、すでに実証分析の段階に入っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
上述のとおり、本年度は遂行した2つの研究のうち、一方は査読付き国際学術雑誌に投稿できる水準に仕上がっている。また、もう一方の研究についても、実証分析の実行に必要な3次元パネルデータの構築を完了させ、実証分析を行うに至っている。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、①投稿準備中の論文(「新規開業企業の資金調達と業績に関する実証分析」)を査読付き国際学術雑誌に投稿・掲載することを目指すとともに、②執筆中の論文(「金融機関の特徴と新規開業企業への貸出に関する実証分析」を査読付き国際学術雑誌に投稿可能な水準にまで仕上げることを目標とする。
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