研究課題/領域番号 |
17H07231
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研究機関 | 名古屋文理大学 |
研究代表者 |
濱口 輝士 名古屋文理大学, 情報メディア学部, 助教 (20802531)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 教育アカウンタビリティ / 学校への支援・介入 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、主として、(1) 教育アカウンタビリティ概念の構造・理論の分析、(2) カリフォルニア州におけるアカウンタビリティ・システムの構築過程に関する実地調査、を行った。 第1に、アカウンタビリティに関係する国内外の文献・資料を入手し、学説検討を行った。主に教育行政や学校管理への応用が指摘される経済学・経営学の分野における文献を収集し、アカウンタビリティという概念がどのように規定されてきたのかを整理した。この作業を踏まえて、米国教育経営・行政研究におけるアカウンタビリティの学説を検討し、そうしたアカウンタビリティが教育領域にどのように取り入れられているのかを、フロリダ州の文脈に即して検討した。この作業の成果は、関西教育行政学会2017年度7月例会において研究発表を行った。 なお、米国における1970年代から現在に至るまで、政治的行政的動向の整理を通じたアカウンタビリティの活用のされ方や概念そのものの変質については、本年度には十分行うことができていないため、今後の課題とする。 第2に、カリフォルニア州における教育アカウンタビリティ・システムの制度構想・制度構築過程を明らかにするために、カリフォルニア州教育省の行政スタッフにヒアリングを行った。この調査により、①2011年の「優れた学校への青写真(Blueprint for Great Schools)」を契機としたアカウンタビリティ政策の転換と新たな制度の構築過程に関する資料・情報、②アカウンタビリティ・システムの下で実施される学校への支援・介入の施策に関する資料・情報を入手した。この調査をもとに、関係学会誌への論文投稿を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画における平成29年度の研究課題は、(1)教育アカウンタビリティ概念の構造・理論の分析、(2) カリフォルニア州におけるアカウンタビリティ・システムの構築過程に関する実地調査、(3) 平成29年度研究成果の発表であった。これらの研究課題について、(1)、(2)ともに順調に調査を終えており、その成果の一部は学校において発表してきた。以上のことから、本研究は、概ね計画通り順調に進行していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、アカウンタビリティ・システムの運用過程の調査として、教育アカウンタビリティ・システムを活用した学校改善施策を実施している学区・学校を選定し、当該学区・学校への研究協力を依頼する事を予定している。平成29年度にはカリフォルニア州教育省へのヒアリングを実施することができ、アカウンタビリティ・システムの概況やいくつかの地域における取組を概観することが出来た。こうした州教育省からの情報を基に、個別学校における事例研究に向けて、調査対象の候補となり得る学区・学校をピックアップし、調査への協力を依頼していく。
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