本研究は帝国の植民地で発展したパインアップル産業に着目し、環太平洋を横断的に扱うことで一国史では捉えられない産業に携わる人やモノおよび技術、資本の移動を捉え、産業の発展において人びとの経験はどのように関係していたのかを描き出すことである。具体的には沖縄、台湾、フィリピンをはじめ東南アジアにおけるパイン産業に関わる人やモノおよび技術、資本の移動をたどり、人びとの経験やパインにまつわる表象の変化にはどのようなポリティクスが働いているのか明らかにすることを目的とした。 また米軍占領期沖縄でのパイン産業の発展には、環太平洋における移民の重層的なネットワークが大きく関係していた点を明らかにした。
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