研究実績の概要 |
2018年度では,2017年度の研究成果を発表しつつ,それらを更に発展させて精力的に研究を行った.まず,「Asia-Pacific Signal and Information Processing Association Annual Summit and Conference 2018」において,東京工業大学の山田功教授とともに位相に関するSpecial Sessionを行い,国内外の位相信号処理の研究者と深い議論を行った.このSpecial Sessionにおいて,位相に関する非凸最適化問題に対して,ブランチカット型の新解法を発表し注目を集めた. また,Univ. Grenoble AlpesのLaurent Condat准教授を招聘研究員として招き,2次元位相アンラップ問題に関する新たな解法を開発した.この共同研究成果は,「2019 International Conference on Acoustics, Speech and Signal Processing (ICASSP)」にて発表される予定である. レーダ信号処理では,研究範囲を従来の合成開口レーダからフェーズドアレイ気象レーダに拡大させ,非線形ビームフォーミングやデータ圧縮に関する研究発表を行った.MR画像再構成問題では,従来あまり着目されていなかったMR複素信号の位相部分に着目することで,より高性能な再構成アルゴリズムを確立することができた. また,スプライン平滑化に関しても,エッジを表現可能なエッジ保存スプライン平滑化を新たに開発し,今後の更なる進展が期待できる.その他,単一画像からのGANによる超解像に関する研究発表も行っている.ニューラルネットワークの出力層と損失関数を変更することで,従来手法の性能を凌駕することに成功している.
|