研究課題
グルコースは、安静時の脳の主要なエネルギー基質である。一般的に、食事などによってエネルギーを摂取した後、認知機能は維持される。しかしながら、グルコースが過剰に血中に存在する食後高血糖は認知機能を低下させることが明らかにされており、これは糖尿病患者で低下する認知機能と関連している可能性がある。本研究では、この脳の主要なエネルギー基質であるグルコースと認知機能の乖離に着目し、高血糖が誘発させる脳機能へのネガティブな作用のメカニズム解明に向けたアプローチを行うことを目的として取り組んだ。また、高血糖だけに留まらず、高脂血を招待する高脂肪食摂取時にも認知機能が低下する。本研究では、軽視され、欠食されがちな朝食に焦点を当て、高血糖および高脂血誘発性の脳エネルギー代謝不全および脳機能低下が関連するのか明らかにすることを目的として取り組んだ。その結果、朝食欠食は、実行機能などの認知機能を低下させるとともに、動的脳循環調節機能(脳組織保護のため、血圧の変化に対して血管緊張を調節し、脳血流量を一定に保とうとする機能)や脳由来神経栄養因子(神経新生・保護などに作用する神経栄養因子)を低下させることが明らかとなった。さらに、朝食を摂取していたとしても、過剰な血糖値の上昇を伴う高グリセミックインデックス食の摂取や高脂血を招来する高脂肪食の摂取は、朝食欠食時のように、脳に対して負の作用を与えてしまうことも明らかとなった(Both papers in preparation).
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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