腫瘍や外傷で生じる組織欠損、特に支持組織である骨欠損は、運動障害や整容性障害など社会復帰に大きな影響を与える。骨欠損の再建には、患者自身の自家骨と再建用金属プレートを用いて再建手術を行うのが一般的であるが、採取できる骨量の限界、採取部位の二次的損傷や感染のリスクが問題となる。この問題を解決するためには、ハイドロキシアパタイトなどの人工骨使用が考えられるが、強度不足や術後感染の問題などの困難さがあり、理想的な人工骨はいまだ確立されていない。この研究では、選択的レーザー溶融法(SLM法)を用い、いかなる形態の骨欠損部にも適合可能な造形チタン人工骨を作製する基礎データとする。
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