コーポレート・ガバナンスに関連する種々の要因が企業のリスクテイキングに与える影響について実証分析を行った。その結果、自発的に取締役会の独立性を高めている企業や外部からの規律付けの圧力が弱く、経営者が安定的な立場にあると考えられる企業ほど、リスクを積極的にとっていることが明らかとなった。また、企業のリスクテイキングは企業が直面する環境条件により左右されることも確認できた。以上の結果は、近年の日本におけるコーポレート・ガバナンス改革は、企業に必要なリスクを取らせるという観点から考えると必ずしも有効ではない可能性を示唆するものである。
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