本研究の目的は、密度バイアスなどの不合理な判断に焦点を当て、因果推論における意識的過程と無意識的過程の相互作用を検討することであった。一見相容れない合理的な認知モデルと不合理的な判断の関係を調べることで、合理的な判断と不合理な判断がそれぞれどのように生じているか解明することを目指した。一連の実験の結果、(1)連続変数を対象とした因果推論では密度バイアスが生じないこと、(2)同様の知見は抑制的因果関係を扱った因果推論においても見られること、(3)連続変数の分散は因果推論に大きく影響することが明らかとなった。
|