研究課題/領域番号 |
17H07281
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
鷲田 幸一 神戸女子大学, 看護学部, 助教 (30803241)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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キーワード | 慢性心不全 / 慢性心不全看護認定看護師 / QOL / 心不全セルフケア行動 |
研究実績の概要 |
本研究では、慢性心不全患者を対象とし、QOLと心不全セルフケア行動をアウトカムとした場合の、現行の看護介入と療養環境の影響を検証し、慢性心不全患者に対する看護のEvidenceの蓄積を目指している。その一環として、今回は、看護介入の指標として、慢性心不全看護認定看護師や心臓リハビリテーションそして訪問看護師などの介入を、療養環境の指標として、家族構成・支援者・社会資源の利用・各職種の介入状況を多施設で調査し、従来使用されてきたアウトカム指標である心不全死亡率・心不全再入院率に加え、QOL・心不全セルフケア行動を評価することで、看護介入と療養環境が、アウトカム指標である心不全死亡率や心不全再入院率、およびQOL・心不全セルフケア行動とどのような関連性を持つのかを明らかにするために研究を開始した。2018年3月31日で多施設での症例登録期間は終了し、症例登録期間内に、多施設で研究協力の意思表示があった施設が59施設、内42施設が各施設で倫理委員会の承認を受け研究を開始している。本研究の参加施設は、公益社団法人兵庫県看護協会で認定看護師教育課程を修了した慢性心不全看護認定看護師が所属する施設に限定しており、施設の所在地域は西日本を中心に、北は静岡県から南は佐賀県まで15の府県に至っている。症例登録期間は、各施設での倫理委員会承認日から2018年3月31日までとしており、期間中全体で255例の症例登録があり、1例同意撤回のため最終の登録症例数は224例となっている。順次データベースの作成を行い、また同時に欠損値と不適切値の確認を行いながら、各施設の研究協力者に疑義照会を行っている。平成30年度は、登録された患者を1年間追跡調査し、登録後6ヶ月と1年後の転帰・療養環境・多職種の介入の状況と、登録後6ヶ月時におけるQOLと心不全セルフケア行動の状況の調査を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年3月31日で多施設での症例登録期間は終了した。目標登録症例数は800例であったが、登録症例数は224例となった。統計専門家に依頼し、データベースの作成を行い、また同時に症例登録時のデータを入力し、欠損値と不適切値の確認を行いながら、各施設の研究協力者に疑義照会を行っている。2017年11月と2018年4月に研究協力者を集めカンファレンスを行い、現状の共有と今後の方向性の確認を行った。今後は登録された患者を1年間追跡調査し、登録後6ヶ月と1年後の転帰・療養環境・多職種の介入の状況と、登録後6ヶ月時におけるQOLと心不全セルフケア行動の状況を調査していくことになる。登録時期が早かった症例に関しては、順次6ヶ月後・1年後データが集まり始めている。現時点で、6ヶ月後データは195症例、1年後データは174症例集まっており、多くの追跡データが回収できるよう各施設に働きかけを行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、登録された患者を1年間追跡し、登録後6ヶ月と1年後の転帰・療養環境・多職種の介入の状況と、登録後6ヶ月時におけるQOLと心不全セルフケア行動の状況を調査する。また追跡調査を行いながら、適時収集したデータを確認し、データの欠損値を減らし、精度を高めるため適時疑義照会を行う。得られたデータの整理・分析を統計専門家に依頼しながら、次年度の論文作成に備える。
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