研究成果の概要 |
224名の患者が登録された(平均年齢69.1±14.4歳, 男性64.7%). 入院中に慢性心不全看護認定看護師(CHFCN)の介入を3回以上受けた患者は22.3%であり, 3回以上の介入を受けた患者は, 高血圧, 糖尿病, 慢性腎臓病などの併存疾患が多く, 療養環境としては, 自立者が少なく要介護状態の患者が多かった. また, NYHAⅢ度が多く, LVEF40%未満, BNPも高い傾向にあり, 心不全の重症度が高いと推測された. またCHFCNの介入を3回以上受けた患者は, 身体制限・社会的制限が強かったが, 自己効力感が高く, 心不全のセルフケアに取り組めていることが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医療の発展と人口の高齢化に伴い増加している心不全患者について, 看護師の視点で社会背景を含めて調査を行なった.心不全による死亡や再入院だけでなく, 心不全患者のQOL, セルフケア行動を評価し, 心不全患者の社会背景がどのように心不全患者の予後やQOL, セルフケア行動に影響を及ぼすか, また慢性心不全看護認定看護師の介入によって心不全死や心不全の再入院, QOL, 心不全セルフケア行動がどう変化するかを明らかにすることにより, 今後心不全患者の社会背景まで含め, 心不全死や心不全再入院だけでなく, QOLを改善するためのケアのあり方を見出していくことに繋げることが可能であると考えている.
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