本研究はクロポトキンのアナキズムが日本を経て朝鮮に流れ込む過程でどんな差が発生したのかを朝鮮プロレタリア芸術家同盟(KAPF)の代表の劇作家宋影(ソンヨン)の作品を通じて確認した。 朝鮮のアナキズムは大杉栄の著作から多くの影響を受けた。特に大杉栄が翻訳したクロポトキンの『相互扶助論』と『クロポトキン研究』は朝鮮のアナキズム及び初期社会主義の思想的基盤を形成するうえで大きな影響を及ぼした。一方、日本と朝鮮のアナキズムは、クロポトキンとその媒介者としての大杉栄という関連にもかかわらず、Anarcho-syndicalismeとAnarcho-communismeという差が確認される。
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