本研究では、サービス生産過程に利用者が関与することがサービスの質や量を高めるとするコ・プロダクション概念に基づき、どのような関係当事者間の相互調整・協働が利用者主権を担保した福祉供給の実現につながるのかを日本とスウェーデンの事例から探求していった。結果として、事例ごとに多様な協働関係が観察されたものの、「共同決定」「サービス供給への直接関与」「家族の介入」の指標から、(1)当事者主義的共同決定型、(2)家族主義的共同参加・共同決定型、(3)当事者主義的共同参加・共同決定型の3類型が見出された。これは、各国各福祉分野で様々な様態をみせている利用者主権の確保の手法を整理する枠組みを提供する。
|