まず,保育実践における数量活動と,認知発達における心的数直線との関連を明示できたことに社会的意義があると考える。両者の関連が明らかになることで,実践場面と認知発達とのつながりが明らかになり,日々の数量に関わる保育活動の重要性が実証できた。 次に,日常的に行われている計数能力の発達と,内的な表象である心的数直線の発達との関連が明示できたことに学術的意義があると考える。ピアジェ理論に立てば,内的操作や表象は,身体活動を伴う具体的な行為が内化したものであるため,指を使用した計数活動が,内的表象として心的数直線を形成すると考えられる。
|