本研究目的は、医療資源の偏在が特に著しい離島で働くNPの実践の現状及び判断や意思決定について調査を実施し、NPの実践に特化した意思決定モデルの構築である。その結果、NPは、患者とその家族に積極的に耳を傾け、兆候や症状を見つけ、身体的問題を診断し、評価に基づいて必要な検査と治療を検討していた。その評価から診断までのプロセス全体で、NPの意思決定における重要な要因は、患者及びの家族の好みと生活条件であることが分かった。また、離島のリソースが限られているため、NPの主な治療とケアの焦点はセルフケアの達成にあった。 NPが行うことができる手順の範囲は、各施設または各監督医師の方針の裁量でのみ決定されていた。したがって、NPはその役割と制限を理解し監督医師に従って働き、患者の治療において自分がどの程度判断できるかを検討し実践していた。よって、日本のNPの役割とNPの実践の程度は、各医療機関の方針によって異なることが分かった。 患者だけでなく家族の好みも日本のNPの意思決定プロセスに影響を及ぼし、セルフケアの促進はNPの患者ケアの主な焦点であった。本研究の結果は、日本の看護師教育の質を向上させるための基礎となる。これは、NP大学院実習生が患者を評価、判断、決定し、健全な看護ケアを提供するのに役立つ効果的なガイドラインになると期待される。この研究は、日本の看護師実習生の学術プログラムのための強固で健全な基盤の開発を促進するのに役立つ。
|